わたしたちにとって必要不可欠なものの中に、各種ミネラルがあります。
昨今の日本人の食事で不足しがちだと言われているこのミネラル分ですが、ここではその中でもマグネシウムの働きに注目してみましょう。
マグネシウムの効果
マグネシウムがわたしたちの身体の中でどのように働くかについては、多くのことが分かっています。
マグネシウムには細胞本来の動きを取り戻し、異常細胞を正常化したり、細胞内に入り込んだ過剰なナトリウムやカルシウムを細胞外に排出したりする働きがあります。
さらに、全身の酵素が効果的に働くための手助けをする作用もあります。
近年の研究では、マグネシウムの持つこうした作用の結果として健康に良い様々な効果があることが明らかになってきました。
その例を簡潔にいくつか取り上げてみましょう。
神経や精神を落ち着かせる
マグネシウムが不足するとイライラしがちになります。
筋肉や血管の収縮を抑える
マグネシウムは筋肉の緊張と緩和のバランスを取っています。
筋肉痛などの改善にも効果的に働きます。
血圧の調節をする
マグネシウムには、血圧が正常な範囲になるように整える働きがあります。
胆石や腎石の予防をする
マグネシウムは、カルシウムの体内への取り込みを調節して過剰摂取を抑えます。
このことにより、過剰なカルシウムが原因で起こる胆石や腎石の発生を抑えることができます。
クエン酸サイクル(TCAサイクル)を円滑にする
クエン酸には疲労回復効果がありますが、マグネシウムはクエン酸サイクルを円滑にするため、疲れにくい体を作ります。
代謝を向上させる
マグネシウムはたんぱく質の代謝やホルモンの産生および脂肪燃焼といった作用を補助する機能を持っています。
痛みやしびれの改善
マグネシウムは、こむら返りや脱力感、頭痛や生理痛などの症状を改善します。
心臓病の予防と治療
マグネシウムが不足すると、不整脈が起こりやすいと言われています。
適切なマグネシウムの摂取は、心臓病の予防に役立ちます。
呼吸器疾患の予防と改善
呼吸器全般の改善にも、マグネシウムが役立ちます。
便秘の改善
マグネシウムの持つ作用は、便秘の改善にも役立ちます。
女性特有の症状を和らげる
マグネシウムは月経前症候群(PMS)や、妊娠中のつわりを軽減することが分かっています。
マグネシウムが不足すると?
このように、数値的にはごく微量とはいえマグネシウムがわたしたちの健康に及ぼす影響は大きなものです。
では、もしもマグネシウムが不足するとどんなことになるのでしょうか。
マグネシウムが体から排出されてしまう大きな原因は、カルシウムの摂り過ぎにあると言われています。
カルシウムを摂り過ぎると、マグネシウムは細胞の外へ出ていきやすくなり、そのかわりに余分なカルシウムが細胞内へ入り込んでゆきます。
そうなると、血管は収縮してしまい、体の痛みやこり、しびれといった問題が起こってきます。
こうした問題に悩まされている人は、マグネシウムが不足していることが多いのです。
ですから、マグネシウムを食事からしっかりと補給する必要があります。
そのために、マグネシウムの多い食品を積極的に摂るとよいでしょう。
マグネシウム分が多く含まれている食品のリスト
食品名 | マグネシウム含有量(100gあたり) |
---|---|
あおのり | 1280mg |
わかめ、昆布 | 900mg |
干しひじき | 620mg |
胡麻 | 370mg |
アーモンド | 338mg |
きな粉 | 240mg |
カシューナッツ | 237mg |
大豆 | 217mg |
炒り落花生 | 198mg |
いんげん豆 | 150mg |
小豆 | 140mg |
玄米 | 120mg |
アマランサス | 100mg |
納豆 | 80mg |
ほうれんそう | 57mg |
こうして見ると、海藻類やきのこ類、豆類などにマグネシウムがたくさん含まれていることが分かります。
一般的には成人の1日当たりのマグネシウム必要量は300mgとなっています。
可能であれば400~600mgは摂るようにするのが理想ですが、摂り過ぎもよくありませんので注意しましょう。
マグネシウムと酵素は助け合うの?
マグネシウムの効果を最大限に生かすためには、心がけておきたいことがあります。
それは、酵素がたっぷり含まれた生野菜や果物を食べて消化を良くすることや、酵素ドリンクまたは酵素サプリメントを効果的に活用して不足がちな酵素を補充することです。
酵素とマグネシウムはお互いに助け合ってその効果を倍増させてくれるからです。
さらには、酸化した食べ物やトランス脂肪酸、白砂糖といった酵素の無駄使いにつながる食物や、添加物が多く含まれる加工食品やスナックなどをできるだけ避けるという心がけも大切になってきます。
酵素の力を活用することも大切ですが、マグネシウムのようなミネラル分もきちんと摂取できるようにしたいものです。
普段の食生活を少し見直して、ぜひ健康な身体を維持しましょう。
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